前回【複数国に住んだ筆者から見た】ニュージーランドの好きなところについて書きましたが、そこでも触れた通り、何事もいいところばかりではありません。
光あるところに影があるよ
「ニュージーランドが嫌」と思ったことはありませんが、残念に思ったことや、「これがなければなぁ」と思ったことは多数あります。
今日はニュージーランドへの留学や移住・旅行を検討中の方に向けて、「ニュージーランドの嫌いなところ」を正直に書いてみますね。
ニュージーランドの嫌いなところ
世界のどこからも遠い

昔イギリスに住んでいてよかったと思うのは、休みになるとヨーロッパの他の国へ旅行ができたこと。夜行バスでアイルランドやパリ、ブリュッセルへ行ったこともありました。
一方、ニュージーランドではバスで海外へは行けません。
近いところでも飛行機で4時間はかかるでしょうか、オーストラリアや南太平洋の国々、そのくらいです。
日本やヨーロッパ、アメリカへは12時間ほど。
ニュージーランド国内に見所はたくさんありますが、海外旅行好きの方には物足りなく感じるかもしれません。
また、遠くて小さな国なので、日本や他の海外でニュースに上ることも少なく、世界から取り残されたような気分になることがあります。
そんな気分になった時の対処法を知っておくのも大切です。
英語がわかりにくい

ニュージーランドはイギリス英語に近いと思っていましたが(そしてその通りではあるんですが)、キウィなまりの早口、そしてキウィスラングは難関でした。
実は今だにわからないんだ…
僕にもわからない時があるから、心配しなくて大丈夫さ!
キウィなまりの法則・基礎
キウィなまりには法則があるので、頭の中で置き換えることを繰り返すと、やがて変換せずとも理解できるようになっていきます。
a = e : bad(バッド)→ bed(ベッド)に聞こえる e = i : bed(ベッド)→ bid(ビッド)に聞こえる i = u : bid(ビッド)→ bud (バッド…というより”bud”と”bed”の中間のような、[ bəd ]のような音) |
ある日、近所のおじさまに話しかけられました。
Have you been for a swerm?
えーと…swermって?と聞き返すと、おじさまは言い直してくれました。
Have you been to the beach?
「ビーチに行ってたのかい?」と聞かれ、ようやくピン!と来ました。
おじさまは”Have you been for a swim?(泳ぎに行ってたの?)”と言ったのです。
さらに追い討ちをかけるように、キウィスラングがあります。
NZHeraldの”Top New Zealand’s slang words revealed”(ニュージーランドのトップ・スラングが明らかに)の記事から5つご紹介します。
キウィスラング5選
Sweet as: 「いいね!」「OK!」といった意味 Yeah, nah: 基本的には「No」だが、場合によっては「Maybe」でもあるような、相槌的な言葉。 Yeah right: 否定の意味。「それはないだろ」といった意味合い。 dairy: どの町にもある小さなスーパーマーケットのような店。(私が「ショボいコンビニ」と呼ぶもの。) chilly bin: クーラーボックス。ちなみに、オーストラリアでは”esky”というらしい。 |
さて、こうしてなまりの法則を理解し、人と交わり、ニュースやラジオを聞くようにしていたら、ちょっとずつ早口にも対応できるようになってきました。
スラングは覚えてしまえば、対応できます。
わからない場合は聞き返してOKです。
やさしい人が多いので、そんなに怖がらなくて大丈夫ですよ。
逆に「なまっててごめんね」って言われちゃいました…
カフェが早く閉まる

ニュージーランドへ来てびっくりしたのは、カフェが4時くらいで閉まること。
4時というと、ちょうどコーヒーを飲みたくなる時間です。
理想を言うと、3時ごろにお気に入りのカフェに入って、コーヒーを飲みながら本を読んでゆっくり午後を過ごしたい…
でも3時半ごろになるとカフェは閉店準備を始める(笑)
うーん…東京のように、ベーカリーが夜の10時まで開いてるなんてありえないので、この商売っ気のなさは新鮮(という柔らかい表現を使ってみます)。
カフェだけでなく、他の店舗も5時か6時には閉まってしまいます。
人とディナーの約束をしていて、その前にちょっと時間をつぶしたいような時、店もカフェも閉まっているのでその辺をうろうろするしかありません。
店が6時で閉まるのは慣れましたが、コーヒー好きとしては、カフェが早く閉まるのは降参…
対処法は…たまにある夜中まで開いているカフェを見つけておくことでしょうか。
あるいは、家で楽しく過ごす方法を見つける。
日本みたいなサービス・モノはない

ニュージーランドにはAmazonもアップルストアもありません。購入はできますが、海外からの発送になるので送料や価格が高く、届くのも遅いです。
が、国内の発送も負けじと遅いです。
日本のAmazonや楽天のすばらしいショップに慣れていると、翌日配送を当然に思ってしまいますが、ここニュージーランドでは注文したものが翌日に届くなんてありえません。
タイミングが合ったのか、頼んだお米が翌々日に届いた時は超感動してしまいました。
宅配の時間指定はできませんし、再配達も対応していません。
また、配送とはちょっと違う話ですが、我が家で大掛かりなキッチン収納ユニットを注文した時のことをお話ししましょう(にやり)
日本ではお店が設置手配もしてくれますが、ニュージーランドのお店はあくまでもユニットを売るだけ。
お店に収納ユニットを注文した後、設置業者を手配し、お店に入荷時期を確認、設置業者とスケジュールを調整します。
が、設置業者さんになかなか連絡がつかず、やっと連絡がついたら繁忙期で手が塞がっており、その後は休暇へ突入してしまいました。
お店からは時々「ご注文の品、いつ取りに来てもらえるでしょうか?」と督促が入りますが、お店も設置業者と提携して効率化を図ろうとは思わないみたいです。
(その後ロックダウンに入ったので、キッチンはまだ届いていません。どうなったかなぁ、キッチン…)
北米では店が設置まで手配してくれるけどね
モノの豊富さだけでなく、サービスも負けていたとは(泣)
日本で普通にあるサービスが行き届きすぎなので、くれぐれも海外でそれを当然と思わないでくださいね〜。
物価が高い

全般的に物価はとても高いと感じます。
例えば、別記事「自分で選ぶ!ニュージーランドでインデックス投資」でも書きましたが、投資信託やETFの手数料は日本に比べてかなり高いです。
手数料が安いところでも口座管理料を取りますし、手数料ゼロ投資信託など聞いたことがありません。
私が調べた限りですが、年会費がかからないクレジットカードはありませんし、日本では無料の会員登録だけで利用できるようなウェブサービスも有料です。
iPhone11(256GB)の価格は日本のアップルストアで90800円とありますが、ニュージーランドでは日本円で約10万6千円。約15000円も高いです。
人口500万人に満たない島国で、市場が小さいというのは、それだけひとりひとりが払う金額が大きくなるのですね。
ニュージーランドに来るまでは日本は小さな国と思っていましたが、いやー日本は大国だと知りました。
良くも悪くものんびり牧歌的

好きなところにも書きましたが、良くも悪くものんびりしています。
例えば、宅配は再配達をしていないかわりに、受け取りサインなしで玄関先に置いてもらうことは可能です。当然盗難の責任は負ってくれませんが。
(リラックスしているからこそ成立するサービス?)
DHLなどのサービスも受け取りサインが必要な建前にはなっていはずですが、実際には知らないうちに玄関先に置いてあるケースが9割です。
(でもこれは便利でトラブルも今のところはないので、「好きなところ」と言えるかも。)
街は別の国の方がいいかなぁ

ニュージーランドといえば自然。
街は他の国の方がいいかなぁと思ったりします(あくまで主観です^^)。
というのは…
街では街ならではのアクティビティを楽しみたいけど、東京やパリ、あるいはアメリカの都市のようなモノ、カフェ、大きな美術館はありませんし
古い街並み・建造物・寺院など、歴史を感じるものが好きな私にとって、比較的新しいニュージーランドの街はちょっと物足りなく感じます。
カフェも4時で閉まってしまいますし…
でも、のんびりしているのが逆に健全でよくもあったりします。
「今まで資本主義に毒されていたんだなぁー」と気づかされました。
どんな街がいいか、あるいは街がいいか田舎に住むか。
どちらがいいかは、価値観次第ですね。
追記:家が寒い
噂によると、南島では寒すぎて家の中にツララができるけれど(本当だろうか)キウィたちは気にも留めずに着込むだけだとか…。
最近の家はもっとモダンな作りになっているのかもしれませんが、ちょっと古い家には断熱材が入っていません。うちもそうです。
イギリスでは普通だったセントラルヒーティングもなく、秋冬は午後になって火が落ちてくると、家の中が底冷えします。
まぁ、それだから暖炉を楽しめるというのもあるかもしれませんが、イギリスのシステムは便利だったなぁ…と思い出すのです。
さらに追記:好きなミュージシャンが来ない
好きなミュージシャンがワールドツアーをしていて、日本、オーストラリア、までは来るけれど、ニュージーランドはスルー(涙)
そんな国に住んでいるので、オークランドのみならず、ウェリントンまで来てくださると、涙を流してよろこびます。
ロンドンでは毎週のように何かのライブに行っていたので、地味に閉塞感が溜まります。(日本帰国後はそんなに行かなかったけれどね)
まとめ
前回のニュージーランドの好きなところに続いて、ニュージーランドの嫌なところをあげました。
誤解を恐れずに言うならば、国全体が田舎ということに起因する内容が大半を占めました…
まだご覧いただいていない方はぜひ【複数国に住んだ筆者から見た】ニュージーランドの好きなところをご覧ください。
一意見として参考にしていただけたらうれしいです♪